行橋の家 | 住宅

《2023年9月》 木造平屋建 / 敷地:903.32 ㎡ 延床:168.09 ㎡

施工 株式会社若杉建設
写真 Blitz studio


敷地は東に旧中津街道に面する住宅地。医院及び住宅(昭和14年築)の建て替えにあたって、座敷だけは何らかの方法で新居に移築できないかとのご相談が始まりであった。その後病院が、南側道路向かいに建築され、旧病院・住宅解体後の敷地利用計画及び住宅設計の依頼である。

夫婦2人のための住まいとして、主な必要諸室は、医師である夫の書斎、 「型絵染」を趣味とする妻の作業室、及び旧住宅の座敷の移設である。
主室であるリビング・ダイニングと、それと繋がる台所、夫の書斎、妻の作業室を屋根下に置かれた箱と見立てて、それら全体を木の架構を表した屋根でおおった。それぞれの居場所を確保しつつも、互いの気配と自然を感じることができ、さらに南庭、坪庭からの光による陰影豊かな空間となるよう図った。

座敷は、解体時に床周り、仏壇、建具等主要部材を保存、再利用し、格式のある座敷として再現することが求められた。
生活部分とはスケール、意匠の異なる座敷をいかにおさめるかに腐心したが、「離れ」として玄関脇に回り込むように配し、切妻屋根の棟を僅かにずらすことにより、内外ともに違和感無く新旧の空間をまとめている。


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